当社でも2020年4月から本格的にリースバック事業の取り組みをスタートさせました。
傾向としては年々増加し続けており2022年には前年の2.1倍の契約件数となっております。ではなぜここまでリースバックが急増しているのかについて詳しく解説します。
なお、リースバックについての基本知識等の詳細解説と大手リースバック会社の比較は以下の記事も合わせてご覧下さい。
穴吹興産 竹島 健
区分投資事業部 企画系(バックオフィス)課長
【資格】
・宅地建物取引主任者
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
【経歴】営業マンとして新築マンションで12年、その後7年間リースバックを中心に中古マンション買取事業に従事。優秀営業マン賞等受賞。現在は経験を活かしてリースバック検討に役立つ情報を発信。
リースバックの取材に関する窓口はこちら:stock_mansion@anabuki-kosan.co.jp
1.リースバック急増要因は主に4つ
増加傾向の要因は下記記載の理由が主に考えられます。
- ①不動産価格の上昇
- ②新型コロナウィルスによる経済変動
- ③住宅ローンの充実
- ④生活スタイルの変貌
それではこの4つの要因を個別に解説します。
2.不動産価格の上昇
リースバックの取引額ですが成約価格相場の60~80%になることが一般的です。
主にリースバックは不動産会社を買主とした取引が多く、事業として買い取りを行うため上記程度の金額となります。
では、買い取り金額は安くなるのにどうしてリースバックを検討する人が多いのか解説します。
それは不動産価格の上昇により、物件によっては購入した時より高く売れることもあり、リースバックで売却したとしても手元に十分な資金が残るケースもあります。
実際に国土交通省が発表している不動産価格指数から不動産価格の上昇が伺えます。
リーマンショック後の2010年を平均100とした場合、2022年4月時点(2022年7月29日発表)でマンションは180.3ポイント、住宅総合では131.3ポイントとなっています。
一時的にポイントを下げた時期があるものの長いスパンで見てみると上昇傾向にあります。
データ参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000085.html
3.新型コロナウィルス感染拡大による経済変動
新型コロナウィルスの感染拡大が影響し勤務先の経済状況が悪化しているケースもあるかと思います。
その影響を受けたことで収入が減少してしまった人も少なくありません。
そのような方々の中には住宅ローンや管理費等の支払いができなくなってしまい、やむを得ずリースバックを利用するケースも増えてきています。
弊社のお客様の中にもこうした理由でリースバックを選択された方は多数いらっしゃいます。
4.住宅ローンの充実
20年ほど前では住宅金融公庫(現在の住宅金融支援機構)の利用が多い時代でした。
当時の住宅金融公庫は物件価格の80%程度までの融資だったため、住宅を買うためには 自己資金として物件価格の20%とその他諸費用を用意することが一般的でした。
しかし、近年では住宅ローンの充実化により物件価格の100%とその他諸費用まで借り入れすることができるようになり、より多くの融資金額を借り入れすることが可能となりました。
その為、高額な価格の物件でも融資を受けることが可能となり、結果自身の返済計画とズレが生じて返済が厳しくなるケースも出てきました。
また、そのような場合でも以前であれば借り換えを行うこともできましたが、返済額を圧縮する等の組み換えもできず対応方法の選択肢が狭まっていることも事実です。
5.生活スタイルの変貌
現代においてスマートフォンやインターネットは当たり前の時代になってきました。
最近では小学生でもスマートフォンを持つようになり、その他には有料動画配信サービス(U-NEXTやNETFLIX等)やサブスクリプションなどの定額サービスの普及など便利な世の中になってきました。
決してその便利さが悪というわけではないですが、それと引き換えに利用するには月々費用が掛かってきます。
つまりインターネット社会や便利なサービスの浸透により毎月必要となるランニングコストが増えているとも言えます。
収入が増えていれば問題ないですが、昨今日本の状況において収入は大きく変わらず、毎月必要となるコストが増えれば、生活に困窮してくる人も自ずと増えてきます。
6.まとめ
新型コロナウィルスや生活様式などの変化によって生活が不安定になった方が、生活を安定させるために不動産価格が上昇傾向の今リースバックを選択していることが分かります。
もし自身が上記内容に該当し考えて悩んでいるのであれば、まずはリースバックを行っている不動産会社へ問合せをしてみては如何でしょうか。
そこでよく話を伺って頂き自分に合っているのかどうかを判断し、リースバックを選択するかどうかを検討頂ければと思います.