便利な「不動産一括査定サイト」のデメリットは? 上手に活用するための注意点も解説

家の模型と「?」のフキダシ

不動産一括査定サイトは、手間なく無料で複数の不動産会社からの査定を得られる便利なサービスです。

ではそのデメリットとは?この記事では不動産一括査定サイトを利用するにあたって、人によってはデメリットになるかもしれない点を具体的に解説します。

また不動産一括査定サイトでの トラブルを防ぐために知っておきたい注意点や上手に活用するためのポイントもお伝えしますので、ご利用前の参考情報としてお役立てください。

メリットとデメリットを踏まえたうえで上手に活用すれば大変便利なサービスとなるため、ご利用前の参考情報としてお役立てください。

▼不動産一括査定サイト利用時に起こりうるトラブルについてはこちらの記事で解説しています。

▼そもそも不動産一括査定サイトとは? 活用する際の注意点は? おすすめの一括査定サイトは? など、基本的な情報はこちらの記事でもまとめていますので、ぜひあわせて参考になさってください。

▼デメリットやトラブルを避けながら活用できる、おすすめの一括査定サイトはこちらの記事でも多数ご紹介してしています。

なお、リースバックについての基本知識等の詳細解説と大手リースバック会社の比較は以下の記事も合わせてご覧下さい。

記事執筆・監修
著者紹介 プロフィール写真

穴吹興産 竹島 健

区分投資事業部 企画系(バックオフィス)課長

【資格】
・宅地建物取引主任者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

【経歴】業界歴20年。7年間リースバックを中心に中古マンション買取事業に従事。現在は経験を活かしてリースバック検討に役立つ情報を発信。

リースバックの取材に関する窓口はこちらstock_mansion@anabuki-kosan.co.jp

目次

不動産一括査定サイトは利用者の多い便利なサービス

ノートパソコンを操作する中年男性

デメリットについてお伝えする前に、まずは不動産一括査定サイトがどのようなサービスで、なぜ利用者が多いのか、その特長を紹介します。

不動産を売却したいオーナーと複数の不動産仲介会社をマッチングするサイト

不動産一括査定サイトは、売りたい物件の情報を入力するだけで、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できるサービスです。

具体的には以下のような流れで利用します。

  1. サイト上で売却したい物件の情報と連絡先を入力する
  2. 査定が可能な不動産会社の一覧が表示される
  3. 査定を依頼したい不動産会社を選択する
  4. 各不動産会社から査定結果が届く
  5. 査定結果を比較して依頼する不動産会社を決定する

不動産一括査定サイトを利用すれば、今の時点で物件がどれくらいの価格で売れるのか、大体の相場を簡単に調べることができます。

査定結果をもとに、不動産会社を比較することや、仲介先を決定することも可能です。

わざわざ店舗に出向く必要がなく、相場のリサーチから不動産会社の選定まですべてWeb上で完結できる便利さも人気の理由となっています。

売主は無料でサイトを利用できる

不動産一括査定サイトは一般的に、無料で利用できるサービスです。スマートフォンやパソコンから、物件の情報と連絡先を入力するだけで査定を依頼できます。

依頼時に入力する主な内容は以下の通りです。

  • 物件の住所
  • 土地面積
  • 物面積(専有面積)
  • 間取り
  • 築年数
  • 査定結果の連絡先

求められる情報はそれほど多くないため、入力は数分で完了します。時間や場所にとらわれず、24時間いつでも手軽に利用できます。

不動産一括査定サイトに登録したからといって、必ずしも成約まで進まなければならないわけではありません。

利用者の目的は様々で、実際に近々物件を売却する予定の人だけでなく、将来を見据えた相場のチェックなど、あくまで情報収集ツールとして活用している人もいます。

複数の不動産会社へ自分で個別に問い合わせする手間を省ける

自分で不動産会社を探し、一社ずつ査定を申し込むのは手間も時間もかかるものです。

そもそも不動産会社の数が多く、それぞれに特色があるため、良い条件で売却できる不動産会社を探し出すのは大変な作業になります。

不動産一括査定サイトなら、一度の情報入力で複数の不動産会社への査定依頼が完了します。あとは連絡を待つだけなので、問い合わせにかかる労力を大幅にカットできます。

物件の売却相場の確認や不動産会社の選定を効率的に進められます。

不動産一括査定サイト側の収益は、不動産仲介会社から支払われる手数料でまかなわれる

不動産一括査定サイトは、物件を売却したいオーナーと不動産会社をマッチングするサービスです。いわゆるマッチングサイトであり、物件の査定や査定価格の算出には関与していません。

不動産一括査定サイトは、不動産会社から支払われる手数料によって運営されています。

査定の依頼があると、不動産会社から紹介手数料として報酬を得られる仕組みになっています。

例えば、A社、B社、C社の3社に査定依頼があった場合、各会社から紹介手数料を受領できます。不動産一括査定サイトが無料で利用できるのは、このような形で収益を得ているためです。

不動産一括査定サイトでデメリットとなる可能性がある点

ここからは、不動産一括査定サイトを利用する上でのデメリットについて解説していきます。大きく4つの項目に分けてお伝えします。

  1. 個人情報入力の面
  2. 得られる情報の実際性・実用性の面リスト
  3. 求めていないのに営業目的の連絡が多数入る場合があるスト
  4. 早々に「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」を進めてしまうと、複数社査定のメリットを得られづらい
キーボードを操作する手

それでは順番に見ていきましょう。

1.個人情報入力の面

サイト上での個人情報入力が必須

不動産一括査定サイトを利用する際、個人情報の入力が必要になります。メールアドレスや電話番号、氏名などの入力が求められ、これらは査定結果の連絡に使用されます。

個人情報の入力に抵抗を感じる人には、一つのハードルとなるでしょう。

なお、匿名形式の簡易査定サイトも存在しますが、その場合は物件種別と築年数といった簡易的な条件と概算表の照らし合わせとなり、大まかな査定結果となります。

実際の査定額と大幅に異なるケースもあるため、より正確な情報を収集したい人には不向きです。

セキュリティ対策が甘いサイトだった場合、故意にでなくとも情報が漏えいするリスクがある

不動産一括査定サイトに限ったことではありませんが、Web上での個人情報入力には情報漏えいのリスクが伴います。

近年、セキュリティの脆弱性を狙いシステムに入り込んで情報を盗みとるサイバー攻撃が増えており、十分な対策がなされていないサイトでは、個人情報が漏えいするリスクがあります。

最近では高齢者世帯を狙った強盗事件など物騒な事件も増えているため、個人情報の漏えいには特に注意が必要です。

サイバー攻撃は巧妙化しており、被害を完全に防ぐことは難しいとも言われていますが、積極的にセキュリティ対策を行うサイトであればリスクを減らすことができます。

利用しようとしているサイトが信頼できるものかどうか、個人情報の取り扱いについても確認しておくと安心です。

2.得られる情報の実際性・実用性の面

シニア夫婦と「?」のフキダシ

続いて、不動産一括査定サイトにおける情報の正確さや実用性の面におけるデメリットについて解説していきます。

複数の不動産会社から届く査定額と実際の売却価格に差が出るケースも多い

不動産一括査定サイトを利用すると、複数の不動産会社の査定額をまとめて知ることができますが、必ずしもその価格で売れるわけではありません。

査定額は、過去の売却価格や市場データをもとに算出された予想価格です。あくまで目安であり、市場動向の影響を受けて変動します。

もし、物件を売り出した後、なかなか買い手が見つからなければ、値下げをすることになるかもしれません。この場合では、査定額よりも低い価格で売却することになります。

また、物件の最終的な売却価格は、売主と買主の合意によって決まります。

例えば、査定額が3,000万円の物件を売り出し、その価格で購入する買い手が現れればそのまま3,000万円が売却価格となりますが、買主側からの値下げ交渉によって売却価格が変動するケースもあります。

査定額は現時点で売却する場合の予想価格であり、保証されたものではないということを覚えておきましょう。

査定先について細かな条件指定ができないサイトの場合はミスマッチが多くなる場合も

提携会社数が多い一括査定サイトは、幅広く、自分が想定しないような不動産会社も含めて査定してもらえる点がメリットです。

しかし、査定先について細かな条件指定ができない場合は、希望に合わない会社もピックアップされてしまうおそれがあります。

その結果、比較対象が多すぎて依頼先を決めにくい、理想とする不動産会社になかなか出会えない、というような問題が発生してしまいます。

2024年現在、数多くの不動産一括査定サイトが存在しています。

上手に活用するには、サイトごとの特徴や得意分野を知った上で、詳細な条件指定ができるかどうかも確認することが重要です。

地域に根ざした活動を行っている不動産会社は、そもそも査定サイトと提携していない場合もある

不動産一括査定サイトから査定の依頼ができるのは、提携している不動産会社に限られます。昔ながらの地域密着型の不動産会社などは、一括査定サイトと提携していないことも多く、個別に問い合わせが必要になります。

地域密着型の不動産会社は、豊富な地域情報を持ち、その土地の売却活動に精通していることが強みです。場合によっては、より良い条件での売却が実現する可能性があります。

満足のいく物件売却を実現するには、一括査定サイトだけでなく、地域に根ざした不動産会社や小規模な不動産業者なども探してみることが大切です。

3.求めていないのに営業目的の連絡が多数入る場合がある

スマホを覗き込むシニア男性

不動産一括査定サイトで入力した情報は、査定依頼をした不動産会社に提供されます。

依頼時に入力した電話番号やメールアドレスに連絡が入るため、煩わしさを感じる人もいるかもしれません。

連絡の内容は、物件情報の詳細な確認や訪問査定の提案などです。

物件に関する詳細な情報を確認することで、より正確な査定が可能になります。

中には、営業目的の連絡が頻繁に入るケースもあります。

一括査定を利用すると、同時期に複数の不動産会社から営業の連絡が入ることになります。

査定の依頼数が多いほど、連絡対応が大変になるため、査定先を3社程度に絞るのも一つの手です。

また、電話での対応を避けたい場合は、依頼時に「電話NG」「メール対応希望」などと備考欄に入力し、事前に連絡方法の希望を伝えておくのもいいでしょう。

前述したように、各不動産会社は一括査定サイトに紹介手数料を支払っています。

利益を得るために積極的な営業活動を行うことは、ある程度仕方のないことだと考えられます。

まだ具体的に売却を考えていない状況で、ひとまず査定額だけを知りたいのであれば、初めの段階でその旨をはっきり伝えておくといいでしょう。

4.早々に「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」を進めてしまうと、複数社査定のメリットを得られづらい

バツマークのプレートを持つ中年女性

物件を売却するにあたって、不動産会社に仲介を依頼する契約を「媒介契約」といいます。

媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類が存在します。

どの媒介契約を選択するかは売主の自由ですが、一括査定後の早い段階で専任媒介契約や専属専任媒介契約を結んでしまうと、不利益を被る可能性があります。

一般媒介契約とは、複数の不動産会社へ並行して仲介を依頼できる契約です。

例えば、A社、B社、C社と同時に契約を結び、それぞれに物件の売却を依頼することができます。

売主が自分で買主を見つけてきて直接取引を行う「自己発見取引」も認められています。

専任媒介契約と専属専任媒介契約は、仲介を依頼できる不動産会社が1社のみとなります。

複数の不動産会社と媒介契約を結ぶことはできません。

専任媒介契約は自己発見取引が認められていますが、専属専任媒介契約では自己発見取引が禁止されています。

専任媒介契約や専属専任媒介契約を選択する場合、不動産会社1社のみとの取引となるため、慎重な判断が必要です。

一括査定後、複数の不動産会社に買主を探してもらい、尚且つ自分でも別途買主を探すという売却方法を考えている場合には、一般媒介契約が有力な選択肢となるでしょう。

失敗しないための不動産一括査定サイトの使い方

案内する不動産担当者

デメリットとなり得る点はあるものの、不動産一括査定サイトは上手く活用できれば、非常に便利なサービスです。

ここでは、不動産一括査定サイトを利用する際のポイントをご紹介します。

売りたい物件が所在するエリアの取引に強い(実績の多い)査定サイトを選ぶ

物件をスムーズに売却するためには、そのエリアの取引に強い不動産一括査定サイトを選ぶことが重要です。

一括査定サイトはそれぞれに特色があり、得意分野が異なります。提携している不動産会社の内容や数も様々です。

例えば、都市部の物件を売却したい場合には、提携先に大手不動産が多い一括査定サイトなどが候補として挙げられますが、地方の物件であれば地域密着型の一括査定サイトの方がより多くの情報を得られる可能性があります。

▼エリア集中型、地域特化型 一括査定サイトの一例

ニーズに応じて、提携(登録)不動産会社が幅広い査定サイトを使うか、厳選型の査定サイトを使うかを検討する

不動産一括査定サイトを利用する際は、提携している不動産会社の数にも注目しましょう。

大手から中小不動産会社まで網羅する規模の大きな一括査定サイトの中には、提携先が4,000社を超えるものもあります。全国の幅広いエリア・物件をカバーしているため、売却先の選択肢を広げることができます。

その反対に、提携先を絞った厳選型の一括査定サイトも存在します。

例えば、不動産大手6社のみを対象とした一括査定サイトなどもあり、物件の売却を大手に限定して依頼したい人にとっては効率的なサービスとなります。

様々な不動産一括査定サイトがあるので、ニーズに応じた選択が可能です。

▼登録不動産会社が多い一括査定サイトの一例

▼登録不動産会社厳選型の一括査定サイトの一例

「机上査定のみ」「電話連絡NG」など、自分側の希望・都合を指定できるサイトを選ぶ

営業連絡の煩わしさを減らすなら、依頼時に申し送りや連絡方法の指定ができる一括査定サイトがおすすめです。

物件の売却相場だけを知りたい場合は、「机上査定のみ希望」「物件売却予定はなし」などと事前に伝えておくことで、不動産会社側からの営業連絡をある程度回避できます。

また、連絡方法や連絡時間帯の指定が可能であれば、自分のペースで物件の売却を検討できます。

「メールでの連絡を希望」「平日は電話不可」など、自身の都合をあらかじめ伝えることは、双方の連絡の行き違いをなくすことにもつながります。

不動産一括査定サイトを利用する際は、申し送り事項で希望や都合を必ず伝えるようにしましょう。

不動産会社側もその内容に沿った対応がとれるため、双方にとって効率的です。

▼査定依頼時に備考欄で細かな都合、要望を入力できる一括査定サイトの一例

その一括査定サイトの評判・口コミなどをあらかじめチェックしておく

不動産一括査定サイトを選択する際、利用者の口コミや評判も一つの判断材料になります。以下に具体的な例を挙げます。

<良い口コミ・評判の例>
  • 提携している不動産会社の数が多かった
  • 大手から地域密着型の不動産会社まで幅広い選択肢があった
  • 売却に役立つ情報が充実していた
  • 各不動産会社の特色が分かりやすく紹介されていた
  • 査定額の根拠が明確に示されていた
  • 匿名査定に対応していた
<悪い口コミ・評判の例>
  • 対応エリアが限定されていた
  • 査定可能な不動産会社が少なかった
  • 営業電話が頻繁にかかってきた

口コミや評判は個人の感想であり、すべてを信用できるわけではありませんが、そのサイトの特徴や傾向を探ることはできます。

事前にチェックして、自身のニーズに合ったサイトを見つけるための手掛かりにするといいでしょう。

セキュリティ対策を万全に行っている一括査定サイトを選ぶ

不動産一括査定サイトでは、連絡先として個人情報を入力します。

そのため、セキュリティ対策が万全なサービスを選ぶことが重要です。セキュリティ対策が甘いと、個人情報漏えいのリスクが高まります。

セキュリティ対策の状況については、サイト内で確認できます。

代表的なものには、個人情報について適切な保護処置を行っていることを示す「プライバシーマーク(Pマーク)」や、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC27001」などがあります。

個人情報の適正な取り扱いを徹底している多くのサイトでは、セキュリティ対策の状況について明記されています。

▼各一括査定サイトのセキュリティ対策状況については、各サービス公式サイトの情報とあわせて、こちらの記事の一覧表もぜひ参考になさってください。

登録不動産会社の厳正な審査や、悪質な不動産会社の排除の取り組みを行っているサイトを選ぶ

提携している不動産会社の質も重要なチェックポイントです。

提携先の数が多くても、悪質な不動産会社が混ざっていれば、査定や売却の段階で不利益を被る可能性があります。

よくあるトラブルとして、顧客獲得のために査定額を高く偽る、断ってもしつこく電話がかかってくる、専任媒介契約を強いられる、などが聞かれます。

このようなトラブルを回避するためには、登録不動産会社の厳正な審査や、悪質な不動産会社の排除といった取り組みを行う一括査定サイトを選ぶことが有効です。

実際の取り組みについては、サービスページ内で確認することができます。

また、不動産一括査定サイトの信頼性をはかる方法として、サイトの運営元を確認することが挙げられます。

運営元が社会的認知度の高い企業や、実績豊富な不動産関連の事業者であれば安心材料になります。長年、悪い評判もなく、利用者が多い状況で運営されているサイトも比較的安心といえるでしょう。

▼提携不動産会社の選定についての厳正な取り組みを明示している一括査定サイトの一例

不動産会社の担当者との具体的なやりとりに移行した際には、対応の丁寧さや相性などで見極める

最終的に物件の売却を進めたい場合は、不動産会社や担当者の見極めが重要になります。

せっかくマッチングしたから、連絡がきたから、という理由だけで無理にやりとりを継続する必要はありません。

担当者と話をしていて不信感を抱いたり、相性の悪さを感じたりしたら依頼を控えた方がいいでしょう。

物件の売却は大きな金額の取引になり、長い時間を要することも多いため、不動産会社との信頼関係が必須です。

物件売却に関する十分な知識を持っているだけでなく、対応が誠実で自分と相性のいい担当者がベストです。

以下に、不動産会社の担当者を見極める際のポイントをまとめました。

  • 言葉遣いや態度に丁寧さが感じられるか
  • 理解しやすい言葉で分かりやすく説明してくれるか
  • 売却に関する不安や悩みに親身になって対応してくれるか
  • 売却プランやアドバイスが専門的かつ具体的であるか
  • 良い点も悪い点も隠さずに伝えてくれるか
  • 話しやすい、相談しやすい人柄であるか

複数の不動産会社とやり取りをしている場合は、それぞれの担当者に同じ質問をし、回答や対応を比較するのも一つの方法です。

一括査定サイトだけでなく必要に応じて地元の不動産会社にも相談してみる

不動産一括査定サイトを利用する際、必要に応じて提携外の地元不動産会社にも査定を依頼することで、より良い選択肢を得られる可能性があります。

地域密着型の小規模な不動産会社は、そのエリアの情報に詳しく、売買実績や事例も豊富です。

一括査定サイトと提携している大手不動産会社よりも、良い条件で物件を売却できるケースもあるでしょう。

個別に問い合わせをしなければならないため手間はかかってしまいますが、少しでも高く売却できる方法を探したい人には、不動産一括査定サイトとの併用をおすすめします。

なお、複数の不動産会社に物件の売却を依頼する場合は、一般媒介契約を選択する必要があります。

専任媒介契約や専属専任媒介契約を結ばないよう注意してください。

「あくまで価格検証・相場見極めのために一括査定サイトを活用する」という考え方もアリ

家の模型と「活用法」と書かれたブロック

不動産一括査定サイトは、主に以下のような目的で利用されます。

  • 物件の売却相場の確認
  • 売却を依頼する不動産会社の選定

査定依頼をしたからといって、成約まで進まなければならないわけではなく、あくまで情報収集のツールとして活用しても問題ありません。

一つの活用例として、不動産一括査定サイトを利用して相場価格を検証する方法をご紹介します。

物件の相場を推測するには、複数の不動産会社へ査定を依頼する必要があります。

例えば、A社、B社、C社、D社、E社の5社へ査定依頼をし、以下の回答が得られたとします。

  • A社:2,900万円
  • B社:3,800万円
  • C社:3,000万円
  • D社:3,100万円
  • E社:2,950万円

このような場合、群を抜いて高いB社の査定額は除外し、相場価格を算出します。

査定額の近いA社、C社、D社、E社の価格が相場のストライクゾーンであり、2,900~3,100万円、つまり3,000万円前後が売却相場と考えられます。

各社の査定額はあくまで目安であり、導き出した相場も推測にはなりますが、物件売却の大まかな相場感を掴むことができるでしょう。

なお、一括査定を行った際、B社のように提示額が飛び抜けて高い不動産会社には、少し注意が必要です。

顧客獲得のために査定価格を敢えて高めに設定しているケースがあるためです。

もちろんその価格で売ることは難しく、実際の売却額と大きな差が生じることになります。

住みながら売却資金を得られるリースバックも必要に応じてご検討を

宅内で幸せそうな大家族

物件を現金化する方法として、リースバックが注目を集めています。

リースバックを利用すれば、自宅を売却して現金化した後、家賃を支払うことでそのまま住み続けることができます。

リースバックの主なメリットは次の通りです。

  • 売却後もそのまま住み続けられる
  • 短期間で現金化できる
  • 家を所有するコストがなくなる
  • 将来自宅を買い戻すことも可能な場合がある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

売却後もそのまま住み続けられる

売却後は賃貸契約に切り替えて、そのまま住み続けることができます。

引越しの必要がなく、住み慣れた環境で生活を継続できます。

外見上何も変わらないので、自宅を売却したことを周囲に知られることもありません。

短期間で現金化できる

リースバックでは、不動産会社やリースバック業者が自宅を買い取るため、短期間でまとまった資金が得られます。

通常の不動産売買のように長い時間がかかりません。

なお、資金の使い道に制限はなく、老後資金や事業資金、住宅ローンの返済などに自由に使えます。

家を所有するコストがなくなる

リースバック後は賃貸契約になるため、固定資産税や都市計画税などの支払いがなくなります。

マンションの修繕積立金も不要です。

将来自宅を買い戻すことも可能な場合がある

不動産売買の契約の際に「買戻し特約」や「再売買の予約」を付けられるリースバックサービスであれば、一度売った自宅を買い戻すことができます。

買戻しには、期間や契約内容の遵守など一定の条件が設けられています。

尚、そもそも買戻しを前提としない代わりに高価な売却額となったり、賃貸借時のサービスが充実していたりといったメリットを打ち出しているリースバックサービスも多く存在しますので、どのような契約が自分にとって一番良いのかを慎重に検討しておきましょう。

リースバックはお金の問題や相続問題の解決に役立つ便利な仕組みです。必要に応じてぜひ検討してみてください。

不動産売却の一括査定サイトはメリット&デメリットを把握したうえで有効活用を

この記事では、不動産一括査定サイトのデメリットや上手に活用するためのポイントなどをご紹介しました。

不動産一括査定サイトにはデメリットとなり得る点もありますが、手軽に一括査定の依頼ができる、ニーズに合った不動産会社を見つけられる、費用がかからないなど、多くのメリットがあります。

使いやすいサービスを選んで、ぜひ有効に活用してください。

  • URLをコピーしました!
目次