2024年6月、あなぶき興産株式会社はGMOリサーチ&AI株式会社協力のもと、リースバック利用者200人(スクリーニング数13,067人)を対象にしたアンケート調査を行いました。
今回の調査は2024年4月に実施したリースバック市場調査に続く第2弾の調査となります。
前回調査では、リースバック検討者を対象としたアンケート調査であったことに対し、今回は実際にリースバックを利用したことのある200人を対象に調査を行いました。
家賃と売却金額から求められる実際の利回り等、利用者にしか聞くことができない点についても、調査を行いました。
前回の調査内容は以下でご確認頂けます。
リースバックは他の利用者の具体的な話を聞ける機会が少ないため、今回の調査結果を検討の参考に役立てて頂ければ幸いです
なお、リースバックについての基本知識等の詳細解説と大手リースバック会社の比較は以下の記事も合わせてご覧下さい。
穴吹興産 竹島 健
区分投資事業部 企画系(バックオフィス)課長
【資格】
・宅地建物取引主任者
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
【経歴】営業マンとして新築マンションで12年、その後7年間リースバックを中心に中古マンション買取事業に従事。優秀営業マン賞等受賞。現在は経験を活かしてリースバック検討に役立つ情報を発信。
リースバックの取材に関する窓口はこちら:stock_mansion@anabuki-kosan.co.jp
リースバック利用に関する調査結果
はじめに、今回の調査結果をグラフ化したものを以下にご紹介します。
記事内の調査結果・データ転載に関して
こちらの記事に公開している調査結果・データについては、同業の会社様を問わず以下の利用ポリシーに基づいて自由にご利利用頂けます。
・画像・データ使用の際は、参照元として当記事・サイトのURLの記載をお願いします。
・画像・データに関するデータ形式が別途必要な場合は下記メールよりお問い合わせ下さい。
・問い合わせ先:stock_mansion@anabuki-kosan.co.jp
調査結果については、他サイトでの転載が可能です。詳しくは上記の転載ポリシーをご確認下さい
① 調査回答者
回答者の年齢や居住する都道府県についてのデータとなります。
回答者のデータについては、2024年4月実施したリースバック検討者に対する調査内容と比較的近い結果となりました。
リースバックは東京都等の都心部で利用されていることが多く、マンションよりも一戸建ての方がよく利用されていることが分かります。
利用者の年齢は、40歳以上の中高年層となっています。
② リースバック利用に関する調査結果
リースバック利用に関しての満足度や検討時の住宅ローン残債(額)、検討期間等について調査となります。
③ 都道府県別 リースバック利回り(家賃と売却価格との関係)
リースバック時の家賃・売却金額の調査を行い、都道府県別に平均利回りを求めました。
リースバックはやばいの?実際の満足度は?
リースバック利用に関する調査結果から、取引における満足度や検討期間、相談先等について解説をしていきます。
リースバック利用者の満足度
リースバック利用者200人に対する調査ではリースバック利用に「大変満足」と答えた人が全体の20%、「満足」と答えた人が30%、「どちらでもない」と答えた人が42%となっています。
また、「不満」と答えた人は5%、「大変不満」と答えた人は3%となっています。
この結果から、リースバック取引において不満に感じている人は全体からするとごく僅かということが分かります。
リースバックは通常の売却と比較して売買金額が低くなる等のデメリットがありますが、利用者はマイナス面を理解して納得した上で取引を行っていると考えられます。
リースバック取引後に後悔したと感じている人も少ないことが分かります
リースバック利用時の住宅ローン残債は?
リースバック利用時の住宅ローン残債については約3分の1の利用者が、「残債なし」と答えています。
リースバック利用者の年齢は、50歳台・60歳台以上の年齢層も多く、既に住宅ローンを完済している世帯に最も利用されていると考えられます。
住宅ローン残債0円又は残債が少ない場合には、売却によって手元にまとまった資金を確保することができるため、生活資金としてリースバックが検討されるケースも少なくありません。
リースバックの賃貸期間
全体の3分の1が「普通借家契約」で長期的に住み続けるという結果になりました。
今回の調査結果では、比較的短期(1年~2年)のリースバック(定期借家契約)を選択されているケースも全体の41%と目立ちます。
賃貸期間が短期間のリースバックは、住み替え等で将来の予定が明確な場合(例えば1年後に新居が建つ等)が多くなっています。
同じリースバック利用者でも、リースバックに求める要件が「長期に住むこと」なのか「住み替えに伴う資金需要」なのかで理由が全く異なってきます。
リースバックの検討期間・検討理由・検討で重視した点
リースバックの検討期間は3か月~6か月以内という回答者が最も多くなりました。
全体の回答者との割合では、約60%の利用者が6か月以内に契約まで至ったという結果になります。
リースバックの検討理由については、以下の理由が多くなっています。
- 生活費のため
- 住宅ローンの完済
- 老後資金の確保
- 新居への住み替え
その他にも、相続税対策や事業資金、借入金の返済、教育費といった様々な理由でリースバックが検討されていることがわかります。
リースバック検討で重視した点については、以下の割合が多くなっています。
- 売却金額
- 家賃
- 賃貸借期間
他には「買い戻し」「資金実行の速さ」を重視した回答者も一定数いることが分かります。
リースバックの相談はどこでしてる?
リースバック査定依頼方法については、「不動産仲介会社に依頼」が54%と最も多く、「リースバック会社に直接依頼」が31%となっています。
一方で「リースバック一括査定で依頼」と回答した人は12%と少ないことがわかります。
リースバック会社に直接依頼した場合は、仲介手数料がかからないといったメリットがあります。詳しくは以下の記事をご覧ください
リースバックの家賃・売却価格・利回りは?
リースバック利用時の家賃・売却価格等の条件は、立地や部屋の広さ等の条件によるため、簡単に比較することはできません。
しかし、リースバックは買い手側(リースバック会社)としては一種の投資となります。
そのため、家賃と売却価格のバランスである「利回り」を重視して条件設定を行っています。
今回は、回答者の居住エリア別に家賃・売却価格を集計することで、各都道府県別の利回り平均を算出しました。
各都道府県で利回りはかなり差があるものの、関東1都3県と関西(大阪府・兵庫県)エリアでは、利回りが5%台となる結果となりました。
一般的に都心部の好立地ほど利回りが低い(売買金額に対して家賃が低い)傾向があります
まとめ
今回はリースバック利用者200人に対して、満足度や検討内容に関する調査を行いました。
実際にリースバックを利用した人が、どれくらいの期間で何を重視して検討を進めているか等、検討の参考にして頂ける点もあったのではないでしょうか。
実際にリースバックの査定を行ったことのある人は、提示された査定か正しいかどうかを判断するのが難しいと感じる人も多くいらっしゃいます。
今回の調査では、都心部では家賃と売却金額から算出できる利回りの平均は5%台が多いという結果となりましたが、同じ都心部でも駅からの距離や築年数、一戸建てとマンションの違いによって利回りも大きく異なる場合もあります。
そのため、実際の査定内容が今回の調査結果と異なることがあります。
査定内容が妥当がどうかを判断する上で最も効果的な方法は、複数のリースバック会社に査定を依頼して各社の査定内容を被比較することです。
一旦、リースバックの条件だけでも知りたいという場合は、インターネットで簡単に査定の依頼ができるので利用してみることをお勧めします。