リースバックでの仲介と直接買取の違いとは? メリットやデメリットについて解説

パソコンを覗き込む家族の姿

リースバック取引には、不動産仲介会社を介する「仲介」と直接、不動産会社などに自宅を売却する「直接買取」の2種類があります。それぞれの違いを解説します。

自宅を売却したあとも、長く同じ家に住み続けられるリースバックは、老後資金の確保などで需要が高まっています。リースバック取引には、不動産仲介会社を通じておこなう取引とリースバック事業者と直接交渉などをおこなう取引の2種類があります。

この記事では、初めてリースバックを利用する人に向けて、それぞれの取引の仕組みや特徴、相違点などを詳しく解説します。リースバックを検討しているものの、どこに依頼すればよいのか迷っている人はぜひ参考にしてください。

なお、リースバックについての基本知識等の詳細解説と大手リースバック会社の比較は以下の記事も合わせてご覧下さい。

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記事執筆・監修
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穴吹興産 竹島 健

区分投資事業部 バックオフィス 課長

【資格】
・宅地建物取引主任者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

【経歴】業界歴20年。7年間リースバックを中心に中古マンション買取事業に従事。現在は経験を活かしてリースバック検討に役立つ情報を発信。

リースバックのお問い合わせ
stock_mansion@anabuki-kosan.co.jp

目次

リースバック取引における仲介とは

一戸建ての模型と通帳、電卓、現金

自宅を売却して、そのまま賃貸として同じ家に住み続けられるリースバックでは、仲介による取引もおこなわれています。不動産会社が仲介役となって、買主(リースバック事業者)を探す仕組みです。

買主には、不動産投資を目的として物件を購入する投資家なども一部含まれますが、そういったケースはごくわずかで、ほとんどがリースバック事業者です。

リースバック事業者が決まったあとは、物件の売買契約に関しても不動産仲介業者が仲介します。つまり、通常のリースバック取引を不動産会社が間に入って仲介しておこなうという仕組みです。

不動産会社が仲介することで仲介手数料が発生する点に注意しましょう。

リースバック取引における直接買取とは

60代夫婦が営業担当者と面談している様子

リースバック取引における直接買取とは、自宅の査定から売買契約、賃貸契約までを一貫して、不動産会社やリースバック事業者側がワンストップでおこなうことを指します。

リースバックは宅地建物取引業法の免許を取得している不動産会社でしか取り扱いができません。そのため、実質、買主となるリースバック事業者は不動産会社の場合がほとんどです。

リースバック取引における直接取引の一般的な流れは次のとおりです。

STEP
物件の査定を依頼する
STEP
査定価格の確認
STEP
面談・物件調査
STEP
家賃保証審査
STEP
リースバック条件の確認
STEP
契約
STEP
決済

物件の査定は、多くのリースバック事業者が無料で相談を受け付けおり、自宅の売買金額や賃貸契約後の家賃などを提示してくれます。

ケースバイケースですが、査定の依頼から決済までの期間は1週間~1ヶ月程度とスピーディーです。

リースバック取引における仲介と直接買取の違い

家の模型と電卓、クエスチョンマーク

リースバックの仕組み自体は同じですが、直接買取か仲介かによって、さまざまな違いがあります。それぞれの相違点について解説します。

自宅の売却金額

リースバックの利用で最も気になるのが自宅の売却価格ではないでしょうか。リースバックを利用した際の売却価格は、仲介、直接買取ともに市場価格の7割程度が相場です。

市場価格よりも安くなる理由は、価格を設定するリースバック事業者側の事情にあります。

これらの理由で売却価格を低めにせざるを得ないのです。市場価格で自宅を売却したいと考えるなら、通常の不動産売却になりますが、当然リースバックは利用できません。

同じ家に長く住み続けられるリースバックのサービスを利用するなら、売却価格について把握しておくとよいでしょう。

また、仲介の場合は、仲介手数料が売主・買主(リースバック業者)に発生する分、直接買取よりも売却価格が低くなることが一般的です。

買主

リースバックにおいて、自宅の買主はリースバック事業者になります。仲介の場合も買主がリースバック事業者になることがほとんどで、個人投資家が売却先になるのはごくまれなケースです。

家賃

リースバックを利用すると、持ち家だった自宅は賃貸物件に変わり、毎月賃料を支払わなくてはなりません。直接取引の場合は、リースバック事業者が利回りなど考慮して賃料を算出します。

利回りは不動産の立地より異なりますが、6~10%前後で設定されることが多くなっています。

例えば、自宅を2,000万円で売却して利回りを6%に設定した場合、賃料は次のように計算します。

2,000万円×6%÷12ヶ月=10万円

毎月の賃料は10万円です。物件の立地や築年数などで賃料は変わるため、査定時にリースバック事業者に相談するのがよいでしょう。

一方の仲介の場合は、仲介する不動産会社が売主に代わって、さまざまなリースバック事業者に査定を依頼します。その中で売主にとって最も良い条件を出したリースバック事業者を紹介してもらえます。

売主としては、自分で査定を依頼したり交渉したりといった必要はないため、手間がかかりません。

仲介手数料

仲介の場合、仲介する不動産会社に対して仲介手数料を支払う必要があります。

国土交通省が公示している「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」(※1)の「第二 売買又は交換の媒介に関する報酬の額」では、仲介手数料の上限が次のように定められています。

スクロールできます
仲介した物件の売買価格売主・買主どちらか一方から受け取れる仲介手数料の上限
200万円以下の金額部分100分の5.5
200万円を超え400万円以下の金額部分100分の4.4
400万円を超える金額部分100分の3.3

物件を2,000万円で売買した場合、次のように計算します。

200万円×5.5%+(400万円-200万円)×4.4%+(2,000万円-400万円)×3.3%=72万6,000円

仲介手数料の上限は、72万6,000円になります。リースバックを仲介で利用する際には、手数料が差し引かれることを考慮しておくとよいでしょう。

なお、直接買取の場合は仲介手数料が不要です。

※1 出典:国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」

その他の費用

その他の費用には、印紙代や登記費用、敷金、賃貸保証金などがありますが、仲介、直接買取ともに必要です。

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リースバック取引における仲介・直接買取のメリット・デメリット

家と¥マークを天秤にかけている指

リースバック取引における仲介、直接買取それぞれのメリットとデメリットについて解説します。

仲介のメリット

リースバック取引で不動産会社に仲介を依頼すると、自宅の査定などの手間がかからない点がメリットとしてあげられます。

自分で査定を依頼するとなると、リースバックを取り扱っている不動産会社を探さなくてはなりません。その点、仲介会社であれば1社に頼めば複数のリースバック事業者に査定依頼が可能です。

仲介のデメリット

仲介のデメリットは、仲介手数料が発生することです。上限は法律で定められているものの、売却価格が高くなるほど仲介手数料も高額になります。

自宅を売却して得た資金は一括で受け取れますが、仲介手数料を支払う分、金額は目減りします。

直接買取のメリット

直接買取では、仲介手数料は発生しないことが最大のメリットです。仲介手数料が発生しない分、リースバックの条件がよくなります。

査定も無料で、売却価格やリースバックの条件などの提案もしてくれます。対応が早ければ、契約までの期間が短く、スピーディーに資金が得られる点もメリットといえるでしょう。

直接買取のデメリット

直接買取は、自分で複数のリースバック事業者に問い合わせる手間がかかります。

インターネットには、リースバックに関する多くの情報が掲載されていますが、初めてリースバックを利用する側にとっては、信頼できる事業者を見つけるのは大変です。

また、不動産会社の中立的な意見を聞くことができない点もデメリットといえます。

リースバックで仲介に向いているのは?

不動産仲介会社の中立的な意見を聞きながら、リースバックの取引を進めていきたいという人は仲介に向いています。さらに、時間がかかってもよいので、できるだけ有利な条件でリースバックを利用する場合にも仲介がよいでしょう。

リースバックで直接買取に向いているのは?

リースバックで直接買取に向いているのは「出来る限りよい条件でリースバック取引をしたい」「すぐにでも多額の資金が必要で早く自宅を売却したい」という人です。また、仲介手数料の負担がないため、余計な経費がかかりません。

リースバックで仲介と直接買取に迷ったらまずは相談

男性に説明を受けるシニア夫婦

同じリースバックでも仲介と直接買取では、さまざまな相違点があります。リースバックを検討しているなら、まずは不動産会社やリースバック事業者に相談してみましょう。

リースバックで損をしないためには、依頼する会社選びも大切です。

インターネットのリースバックのおすすめサイトなどを活用して、事前に詳しい情報を知っておきましょう。

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