リースバックを検討する際に、もっと他のリースバック利用者・検討者の意見を聞いて検討を進めたいと考えている人も少なくないのではないでしょうか。
リースバック関しては、口コミなどの検討者に関する情報も少なく他の人がどのように検討を進めているかを知ることは難しくなっています。
今回、リースバック事業者でもある穴吹興産(あなぶきこうさん)がGMOリサーチ株式会社様の協力のもと、初となるWEBアンケート方式による「リースバックに関する調査」を全国で行いました。
調査結果の公開だけでなく、事業者ならではの視点で調査結果の内容についての解説・分析も行います。
- リースバックを検討する人はどんな人だろう
- 査定は何社ぐらいしているのかな
- どこのリースバック事業者に依頼しているのかな
こんな疑問をお持ちの方にお役に立つ内容となっていますので、是非ご覧ください。
リースバック事業者である穴吹興産×GMOリサーチによる調査なんですね!
穴吹興産の名前は伏せ、匿名でのアンケート調査になるため中立性の高い調査内容をなっています
リースバックについての基本的な仕組みや網羅的な解説については以下の記事もご覧ください。
穴吹興産 竹島 健
区分投資事業部 企画系(バックオフィス)課長
【資格】
・宅地建物取引主任者
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
【経歴】営業マンとして新築マンションで12年、その後7年間リースバックを中心に中古マンション買取事業に従事。優秀営業マン賞等受賞。現在は経験を活かしてリースバック検討に役立つ情報を発信。
リースバックの取材に関する窓口はこちら:stock_mansion@anabuki-kosan.co.jp
リースバック調査結果の内容
リースバックの調査に関する調査結果について、グラフで以下に分かりやすく纏めています。
今回の調査では、約10,000名の調査対象者の中から、実際にリースバックを検討したことのある310名の有効回答者の調査内容・データとなっており以下の3つのパートに分かれています。
- リースバック検討に関する調査の回答者
- リースバックに関する調査結果①
- リークバック調査結果に関する②
リースバックに関する調査結果①、リークバック調査結果に関する②に関しては、検討動機編と査定・具体的検討編として後程詳しく解説していきます。
記事内の調査結果・データ転載に関して
こちらの記事に公開している調査結果・データについては、同業の会社様を問わず以下の利用ポリシーに基づいて自由にご利利用頂けます。
・画像・データ使用の際は、参照元として当記事・サイトのURLの記載をお願いします。
・画像・データに関するデータ形式が別途必要な場合は下記メールよりお問い合わせ下さい。
・問い合わせ先:stock_mansion@anabuki-kosan.co.jp
調査結果については、他サイトでの転載が可能です。詳しくは上記の転載ポリシーをご確認下さい
リースバック検討に関する調査回答者
リースバック検討に関する調査回答者については、どのような年齢層・居住エリア・職業の人がリースバックを検討しているかについての概要データ(デモグラフィック)となっています。
リースバックに関する調査結果①②
リースバックに関する本調査の内容では、検討動機編と査定・具体的検討編の2つに分けて調査内容を纏めています。
検討動機編では、リースバックを検討し始めた人はどんなことがきっかけで検討を始めたのか、何を重視していたのか、等が確認できます。
査定・具体的検討編では、実際にリースバックを検討している人が何社査定を依頼したか、リースバック以外に何を検討したかという調査内容になっています。
最後に、検討時に知っていたリースバック業者名についても【番外編】として調査を行いましたので査定の依頼時に参考にしてください。
リースバック調査 回答者編
ここからは各調査内容について、元営業担当者の経験も交えて独自の視点で解説・分析を行っていきます。
性別
回答者の男性・女性割合で、男性回答者が多くなっています。
年齢層
リースバック検討者の年齢層になります。
全体のリースバック検討者に占める割合は40代以上だと86%、50代以上で63%の割合となっており、ミドル・シニア層に検討されていることが分かります。
リースバックでは主に30代以上の年齢層で利用されているため、本調査では30代以上でリースバックを検討したことのある人という条件で調査を行っています。
後程詳しく解説しますが、リースバックの検討理由に老後資金の確保という理由が多いことも関連性があると言えます。
実際の営業現場でも定年退職前後の60歳前後の方によるリースバック検討が中心となっています
既婚(未婚)割合
リースバック検討者の既婚割合は約7割となっています。
検討者の多くは家族がおり、リースバックの検討理由が一緒に住んでいる家族の為となっていることも少なくありません。
現在の住まいの種類
現在の住まいについては、マンションが33%・一戸建てが66%となっています。これは、全国に占める一戸建て・マンションの比率も関係しています。
リースバックでは一戸建て・マンション両方を扱える会社もあれば、マンションに特化してリースバックを行っている会社もあります。
一戸建ての場合は、土地の評価額が高い場合にリースバックと並行してリバースモーゲージが検討されることもあります。
回答者の職業
職業に関しては、「会社員」が最も多く、続いて「無職」が多くなっています。
「無職」については先程の年齢層の調査結果にもあった60歳台以上の検討者が多いため、退職後の世帯が多いことが理由となっています。
リースバックは、60歳前後の年齢で定年退職を機に住宅ローンの一括返済を考える世帯が多いため「会社員」の中にはこのような年齢層の方も多いことが考えられます。
自営業者によるリース検討も多く、事業資金の調達として利用されることもあります。
例えば60歳で来年定年退職という方が、収入減少から月額の負担を抑える目的でリースバックを検討するケースがあります
住んでいる都道府県(リースバック検討されているエリア)
都道府県別の現在の住まいに関しては、主に都市部でリースバックが検討されていることが分かります。
1都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)で全体の約44%となっており、関西の大阪府・兵庫県を入れた場合全体の58%となります。
しかし、リースバックが都市部で検討されているというよりは、都市部に住宅が集中していることが上記の結果となっていると考えられます。
リースバックでは都市部でのみ対応する会社、政令指定都市を中心に取り組む会社、全国どこでも対応できる会社等様々ありますよね
詳しくは以下の記事で解説していますので参考にしてみてください
リースバック調査① 検討動機編
リースバックを検討し始めた人は、どのような理由でリースバックを検討してるのでしょうか。
リースバックは、他の検討者の意見を聞いたり参考にできる口コミサイト等がまだまだ少なく中立的な意見を聞きながら検討を進めることが難しくなっています。
回答者を参考にしながら、検討を進めて行きましょう。
リースバックを知ったきっかけ
全体の48%がテレビでリースバックを知ったと回答しています。
大手のリースバック会社の中にはテレビCMに力を入れている会社もあるため、このようなマスメディアでリースバックを知る機会も多くなっています。
最近ではyahoo/google等のインターネット広告や、YOUTUBE広告でもリースバックを知る機会が増えており、以前に比べて消費者が知るきっかけが多様になっています。
ハウスドゥで知られるAnd DOホールディングスは、元プロ野球選手を起用して告知活動を行っており、知っている人も多いのではないでしょうか
リースバックで住み続けたい理由
「生活環境を変えたくなかった」が圧倒的な理由となっています。
「続いて自宅を売却したことを周りに知られたくなかった」「条件に合う引っ越し先が見つからなかった」「自宅を売却したことを周りに知られたくなかった」が続いています。
特に年齢が高い世代となると、体力的に引越することが難しいと感じたり、買い物や通院している病院が変わることの不便さ、地域のコミュニティが変わってしまうことに不安を感じる人も少なくありません。
生活環境を変えるということが、多くの人にとって大きな負担となることがリースバックが検討される理由になっていることが調査内容から確認できます。
リースバックの検討理由
リースバックの検討理由として、「生活費の為」「老後資金の確保」が多くなっています。
「生活費のため」は、実際の現場での検討者のヒアリングデータから、定年退職などによる収入減少が主な理由と考えられます。
「老後の資金確保」は、老後に必要な生活費が年金受給額を下回っている際に、将来の生活費に充てるための資金という意味で考えられている傾向があります
続いて、「終活・資産整理」「住宅ローン完済」「相続税対策」が上位に続いています
。ここでも、検討理由が60歳以上のシニア・高齢者層に多い理由であることが確認できます。
2020年~2021年頃に新型コロナの流行時では、職場の雇用状況の変化による収入減少が検討理由となった事例も多くありました
リースバック検討で重視した点
最も多かったのは、「売却金額」で、「家賃」「賃貸借期間」が続いています。
「買戻し条件」は、具体的に将来の買戻しを検討する人にとっては重要な項目です。
「事業主の知名度・会社規模」よりは「資金実行の速さ」が、若干上回っています。
リースバックを検討する人の中には、住宅ローンの返済遅延・滞納で任意売却期間となっている人もおり、任意売却では期限があるため資金実行の速さが重要となることがあります。
売却金額と家賃どちらを重視するかは悩ましい問題ですね
賃貸として長期で住む場合には、長期間で考えた時の合計家賃と売却金額を比較して事業者選びをすることも大切です
リースバックで検討した賃貸借契約種類(契約期間)
リースバックで検討される賃貸借期間は、「長期」が圧倒的となっています。
そのため、主に普通借家契約が主に検討されていることが分かります。5年以上の定期借家契約も人気です。
2年以内の定期借家契約でリースバックが検討される場合、既に住み替え先が決まっているケースが多くなっています。
例えば、住み替え先の新築が完成する日が決まっている、老人ホーム等の高齢者施設の入居予定が決まっている等があります。
賃貸借期間に関して、実際の営業現場では検討者の意見として、以下のような声がありました。
- 「賃貸借期間が最初に決まっていると心理的に追い込まれる気がする」
- 「何年住むかは今は分からないので長期で住むことを全体に考えたい」
普通借家契約は更新することで住み続けられる契約で定期借家契約は基本的に更新がなく、期間満了で契約が終了する契約です
リースバック調査②査定・具体的検討編
リースバックを検討者が実際に何社に査定を依頼し、他にどんな選択肢を考えながら検討を進めていたかについて解説していきます。
リースバックの査定を依頼した業者数
リースバックの査定を依頼した業者数に関しては、1社が30%、2社が29%となっています。
3社以上査定を行った検討者は全体に対して、わずか13%となっています。
リースバック業者の選定に関しては、ある程度インターネット等で調べ候補を絞った上で査定依頼を行っていることが考えられます。
なお、検討者の内28%は査定を行なっていないことが調査データから分かりますが、リースバックの売却金額が通常売却に比べて低くなる点等が検討者の希望に合わず、検討中止となったというケースも想定されます。
リースバックの査定は事業者によって大きく異なるため、3社以上の依頼を行ってしっかりと比較・検討することをこのサイトではお勧めしています
リースバック以外で検討した選択肢
リースバック以外で検討した選択肢は、「通常の売却」が多く、続いて不動産会社による買取と続いています。
「特になし」と答えた人も一定数いますが、多くの場合は不動産会社による買取やリバースモーゲージ等、リースバック以外の手段も並行して検討していることが分かります。
通常の売却・不動産会社による買取とリースバックが異なる点は、引越しが伴うかどうかです。同じ売却でも売却後の展開が全く異なります。
当初は通常売却を考えていたけど、検討を進めた際にリースバックという売却方法を初めて知ったという意見も実際の営業現場では良く聞かれます。
不動産仲介会社からリースバックという手法を聞いたというケースも一定数あります
リースバック取引を実際に行った割合
リースバックを検討した人の中で、実際にリースバックを行った人は全体の16%です。
実数としては、310人中リースバックを行った人は49人で行わなかった人は152人、検討中と答えた人は109人となっています。
検討中と答えた人を除いた場合、全体の約25%が最終的にリースバックを選択したという結果になります。
リースバックを選択しなかった人は、通常売却や買取等何らかの形で自宅を売却した人と自宅の売却自体を行わなかった人に分かれます。
リースバックを行わなかった人がどんな選択肢を選んだかについては行っていませんが、今後の調査でさらに深堀りを行います
【番外編】リースバック業者認知度調査
リースバックを検討した人が、検討時に認識していた(知っていた)業者名に関する認知度調査を行いました。
リースバック事業者として、会社名の認知度調査を行うことは今回は初となります。※穴吹興産調べ
調査結果については以下の通りとなっております。
認知度調査では穴吹興産という社名は出さずに、GMOリサーチ株式会社様協力のもと調査を行っています
認知度調査結果
リースバック業者の認知度調査では、最も認知度の高い会社が穴吹興産(あなぶきこうさん)で続いて大京穴吹不動産、一建設、YAMADA HOMES、セゾンファンデックス、と続いています。
調査結果をランキング形式にしたものは以下に纏めています。事業者の商品性等についてもまとめた記事もランキング下にあるので、合わせて検討の参考にして下さい。
穴吹興産の「あなぶきのリースバック」が多くの方に知って頂いていることは嬉しい限りです
認知度ランキング
順位 | 会社名 | 票数 | 認知度割合 |
---|---|---|---|
1位 | 穴吹興産(あなぶきこうさん) | 109票 | 35.2% |
2位 | 大京穴吹不動産 | 105票 | 33.9% |
3位 | 一建設(はじめけんせつ) | 83票 | 26.8% |
4位 | YAMADA HOMES | 78票 | 25.2% |
5位 | セゾンファンデックス | 69票 | 22.3% |
6位 | And Doホールディングス | 68票 | 21.9% |
7位 | SBIスマイル | 67票 | 21.6% |
8位 | 明和地所 | 62票 | 20.0% |
9位 | オークラヤ住宅 | 52票 | 16.8% |
10位 | 大成有楽不動産販売 | 41票 | 13.2% |
11位 | インテリックス | 30票 | 9.7% |
12位 | AG住まいるリースバック | 30票 | 9.7% |
13位 | スターマイカ | 29票 | 9.4% |
まとめ
今回のリースバックに関する調査の結果、分かったことについて以下にまとめてみました。
- 比較的高い年齢層の方に利用されている
- 生活資金や老後資金として利用されている
- 生活の環境を変えたくない方の利用が多い
- 都市部での利用が多い
- 賃貸借期間は5年以上又は長期で検討されている
- 査定の依頼数は1社又は2社が多い
- 様々な選択肢が並行して検討されている
- 実際に取引に至るのは全体の約25%
今回の調査では、穴吹興産がリースバック事業者としてある程度想定していた調査内容もありましたが、意外な調査結果から新たな発見することが出来ました。
冒頭にも記載しましたが、リースバックはまだまだ検討者にとっての客観的な情報源が少なく、他の検討者の意見を聞く機会もほとんどありません。
今回の「リースバックに関する調査」が現在リースバックを検討している検討者様による透明な検討と同業のリースバック事業者様のマーケティングのお役に立てば幸いです。